Gld公式ブログ

雨深、柏乃うえ、高菜なと、美作02、オストマルクの五名で構成されている、創作集団Gldです。
主にオリジナルやモンスターハンターなどの小説を書いていたりします。

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☆NEWS☆

まとめ更新(2012/02/26)
高菜なとまとめ更新しました。

更新(2012/02/26)
ボクとカノジョとカノジョの絵日記プロローグシーズンが完結しました。

まとめ更新(2011/02/27)
高菜なとまとめ更新しました。

WORKS更新(2010/11/22)
まとめページに移動しました。

LINKS更新しました。(2010/10/13)
└1件追加『ひとみしり』様


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[novel] ボクとカノジョとカノジョの絵日記〜割れた林檎は所謂双子!?〜

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つきいち 23:54
 久方ぶりの更新ですみません、高菜なとです。

 というわけで2012年に入って「ボクとカノジョとカノジョの絵日記」「CODE*MH」を更新したので、残る「ティータイムは戦のあと」の更新をしました。
 ティータイムは少し書き貯めがあるので、また近いうちに更新できるかもしれません(とは言え、今回の更新分は結構昔に書いたので、色々と手間がかかるかもしれない)

 Gldはまぁ、活動休止気味なので、これくらいのペースでもいいと思ってます。


 というわけで、こんなペースですがつきあってくだひゃれ〜
| [note] 高菜なと | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 高菜なと - -
ティータイムは戦いのあと 23:52

   ☆★☆  ☆★☆


 薄暗い、昼であろうと、快晴であろうと、夕暮れであろうと、曇天であろうと、変わらないベンゼルより南部――ローレンス山脈の一角、中でも一番楽な山岳部を進む。ローレンス山脈の中では低く、一部の商人も使う道ではあるけど、エユパロム王国を南北に分け威立つローレンス山脈で一番楽な道だ――当然、盗賊などの狩場。だから、力のある商人くらいしか使わない道で、国内で二番目、三番目と続く楽な道と比べると、使用者は格段と減ってしまう。
 ある種、この道のほうがよっぽど過酷ということらしい。
「いいか、私とお前は顔が割れてる。だから今回、私はいつも通り店に残るし、お前は後方から付ける、後方支援だ」
「はい」
 そんなやり取りがあって、ボクは今回の仕事ではリゼちゃん、アルナちゃん、ユンちゃん、それと今回の依頼者である――ド派手な民族衣装を纏った吟遊詩人(自称)――レムトルさんを後方五十メートルほど離れた場所から付けている。薄暗い森だから、いくら目を凝らしてもこれ以上離れることはできない。障害物も多いし、最悪十メートルくらいまで近づくこともしばしば。
 依頼の内容は護衛――だそうで、しかしそれが凄く厄介な内容で。
「強いの来るアルカー?」
 前方を歩くユンちゃんが呑気な声音でリゼちゃんに訊いた。
 ガシンガシンと集団後方を歩く二メートル以上はある鎧――リゼちゃんは応える。
「ここは盗賊の多現区域、です。です、ので、この辺りの方々は、物語の進行上、雑魚、みたいなものだと思いますので、です、ので、あ、あんまり、お強い方は……」
「居ねーわな」
 集団先頭、後頭部で腕を組んだまま、アルナちゃんが言った。
「けどよぅ、今回はそれだけじゃねーんだろう?」
「は、はい」
 ニタッとアルナちゃんとユンちゃんが笑う。
 今回、目的地はローレンス山脈を抜けた先、メフレイヤにあった。けどその場合、わざわざこんな過酷な道を使わなくても、ローレンス山脈を渡る交通竜が居たし、それならメフレイヤに直通だ。それでもこの道を選んだのには訳がある。
「レ、レムトルさんを追っている方々です」
 レムトルさんは信じがたいことに、メフレイヤに住む超が付く大金持ちの女性と付き合っているらしい。そして、レムトルさんも元はお金持ちだった。
 今回の複雑な事情。
 多分、ユンちゃんは理解していないだろうし、アルナちゃんは聞いてもいないだろうけど、レムトルさんが護衛を頼まなければならない状況になったのはわけがある。まずは、レムトルさんの御家とその付き合っている女性――トリシャさんの御家の関係。
 もともと仲のよく、友好な関係だった両家。そこに出来た二人の男女。幼少からの関係が恋愛へと成ったのはすぐで。だけど、そう簡単にはいかなかった。
 トリシャさんの家の主人は軍人だったらしい。けど、神聖カルツ帝国との戦いで命を亡くした。その隙を突こうとしたのがレムトルさんの父。トリシャさんの家の跡取り――トリシャさんの兄を殺そうとした。それに気付いたレムトルさんは、すぐにその後のやり口が読めた。
 そんなの簡単なことで、ようはレムトルさんとトリシャさんの関係を利用して、財産を奪おうとしていたのだ。レムトルさんはだから、自分が居なくなることで片付けようとした。自分が居なければトリシャさんと結婚することはできない。居なくなることで、トリシャさんの兄を殺しても無駄――という状況を作ろうとした。
 効果はあった。――多少。
 レムトルさんがメフレイヤに戻ろうとしている理由。それは、トリシャさんの身の危機だ。
 レムトルさんは一応、自分の部下を何人か残し、情報を送ってもらっていた。すると、最近になって、レムトルさんの父がトリシャさんとトリシャさんの兄に近づいているらしいのだ。まだ諦めていない。それが判り、直接トリシャさんに近づいているという事実を知ったレムトルさんは、今回、護衛を《ハンプティ・ダンプティ》に依頼した。
 レムトルさんを追うのは、盗賊なんかとは違う――殺し屋(プロフェッショナル)。それを巻くことは容易ではないし――と判断したホマレさんの作戦。
「あえて盗賊などの多い場所に行き、追っ手にも盗賊にも、そしてボク等も戦う。三つ巴により、戦闘回数を逆に減らす」
 強者しか残らない状況にし、強者だけを討つ。《ハンプティ・ダンプティ》に限っては、まずは戦闘を出来る限り回避。最終的に残った兵(つわもの)だけ倒す。数を減らさないこと――それが護衛に回っているボクらの役割。
 ついでに言うなら、ボクは《ハンプティ・ダンプティ》に気付いた人間の目をそらさせる役割。ボクの武器の場合、遠距離からも狙えるので、それには向いている。
「さてと、戦闘はどこかで起こっているのかな」


  ☆★☆  ☆★☆


 ここでボクがボクなりにこのあたりの現状を説明してみる。
 事態は静かに急変した。
 まず、最初の変化。これには当事者以外は一切気付かなかった。ボクにしたって、その変化に介入したうちの一人だったから気付いたものの、そうでなければ当然気付かない、静かな戦い。
 ボクの見えた範囲で話す。
 最初、堂々と山道を歩く《ハンプティ・ダンプティ》一行に気付いた(恐らく)山賊が動いた。これには勿論、ボクも動いた。動いたけど、それだけで終わった。その山賊十名ほどを黒服の男二人が圧倒した。一瞬で――おそらく、一人は腰の刺突剣(レイピア)、一人は両腕のナイフで始末した。そう、そんな軽装で十数名を一瞬で片付けた。
 そして、その二人の後ろにいた女性が不気味。
 その光景を前にあくびしていた。
「あれはたぶん、殺し屋(プロフェッショナル)の方」
 そう判断して気配を隠す。息を殺し、黒服と《ハンプティ・ダンプティ》の距離をはかった。恐らく黒服は《ハンプティ・ダンプティ》に気付いている。攻撃をすぐに加えないのは、レムトルさんの周りに物騒な――一人は鎧、一人は大剣を二本、一人は珍しい褐色――集団がいるからだろう。とはいっても平穏が続くはずもない。黒服は何かを相談しあうような動作をし、動き出そうとした。
 ついにはじめたか。
 ボクはその瞬間にトンファー型の銃を放つ。銃声が響き、黒服はすぐにボク側へ向いた。当然、それは予想済みだった。
 いくら黒服の目的がレムトルさんだとしても、遠方、見えない敵からの攻撃を無視できない。銃声でこちらの方向がわかったとしても、この暗闇、正確な位置を把握することはできない。そして、ボクはもう隠れていない。気配を隠さず、逃げつつも黒服を狙う。
 数十発の銃撃。これには黙っていないに決まっている。
 もちろん、三対一で勝てる自信なんてかすかにも持ち合わせてないけど。
「この森にはまだ集団がある」
 銃声に気付くのは黒服だけではない。
 当然、この山道の門番とも言える山賊たちもいる。派手にアクションしておけば、これで山賊が気付くだろう。というか、すぐに反応があった。
「おうおうおうおう! おうおうおうおうおうおう! ああん? ああん? ああん! なんだなんだなんだぁ? どこのどいつだってんだ? ここは俺が仕切ってんだ。勝手してもらっちゃあ困るなぁ? なに勝手にどんぱちしちゃってんの?」
 一人、リーダーであると見ただけで判断できてしまうほど、態度のでかい男が現れた。あからさままでの山賊らしい登場。この瞬間にボクは気配を隠す。
「おいおいおいおい! そこのあんたらかい? 黒服ども」
 応える意味なんてない――とナイフが投げられる。ナイフは基本的に突くことに向いている。切るには長さが足りない上に、切ると突くでは攻撃の射程が変わる。だから突くほうが強い。刃渡りで負けるナイフにとって戦い方には投擲という使い方がある。数には限りがある。だから無尽蔵に投げ込むことはできない。けれど、牽制には充分だ。
 そして雑魚ならそれで払うことも出来る。
「はっ」
 しかし、山賊のリーダーはそれを左手一本で止めた。弾いたわけでも、躱したわけでもなく、止めた。
 恐らく、向かってくるナイフの側面をはさむようにして掴んだんだろう。そんな曲芸師のようなことをさらっとしてしまうのだ。
「返すぜ」
 ナイフが倍の速度で放たれる。黒服の男はそれを避けることができない。まだ一瞬、放心していたのだと思う。一流の殺し屋だろう。その投擲が、片腕、呼吸するように掴まれてしまったのだから。
 だから、あっけなく喉をナイフが貫く。
 いくら突きに特化したナイフだとしても、柄があるそのナイフが貫くなんてありえないのに、確かにそれは貫いた。貫き、後方にいた黒服二人を狙う。それはレイピアで払われた。
 そして、そのやり取りは十分すぎる合図だった。
 一方はレイピア。一方は徒手空拳。あのやり取りを見れば、差なんてない。あの山賊は十分にやれる。そして、さっきは不意を突かれた黒服。だからこそ、ここからは別の戦い。
 横へと倒れる貫かれた黒服。二人の視界が開けた瞬間が、衝突の瞬間。
 一光。
 レイピアが閃光のように刺し、拳が空気を揺らした。
 剣に対してどうやって。目を凝らして見た。山賊はレイピアを躱していた。けど、黒服もそれを頭に入れていたようで、レイピアを突ききらず、山賊の拳をレイピアの柄で防いでいた。見るにどちらも腕を振り切っていて、そこからの追撃はボクが考えるに無理――得策とは言えない。特に徒手空拳の山賊は、振り切ってこその拳が振るえないんだから、絶対に――
「って、そんな……?」
 腕も体も一切動いていない。けど、その山賊は確かに攻撃した。
「なっ!?」
 黒服のレイピアが弾ける。柄は粉々に砕け、黒服は即座に後ろへ退避した。意味のわからない攻撃に対しては得策……ではないにしても、ボクもそうすると思う。
「へっ、意味不明ってか? バカにゃわかりゃしねーよ。そうやってわからないまま死んじまうのがお前だよ。ニヒヒ」
 と、そこへ今まで傍観していた女性がついに歩みだした。
 レイピアを持った黒服の横に立ち肩を叩いた。
「うん。お前、十分。もう良いよ」
 と、黒いスーツの裾から刃が出、そして振るった。
首が、飛んだ。
 冷静に見れば、あの刃の切れ味がいくら良いにせよ、人間の首を一刀両断なんて無理だ。それを成し遂げるにはより高速で正確な技が必要となる。あの黒服の女性はそれを成し遂げた。あんな簡単に。
「かっかっかっ! テメー、相当ぶっ飛んでやがんな! 味方じゃねーのかよ」
「だから解雇(クビ)にしてから斬ったんだよ。いいじゃないか。わかりやすいクビだろう」
「良いね。好みだ。あんた、オレの女にならないか」
「冗談。私は貴族の能天気な男と結婚して、踵で踏みつけて、好きなように暮らすという崇高な夢があるのだ。テメエ程度の無職と結婚する気も甲斐性もない」
「甲斐性ってのは男が持つもんだろ? 無職とはいえ、オレにゃ甲斐性あるぜ。金だってな」
「ふんっ、テメエ程度じゃ不足だって言ってんだよ、カス。腕も体も動かさず攻撃したって自慢しやがって。くだらねえ。くだらねえ、くだらねえ、くだらねえ! 腕も体も腰も足も何もかも動いてんだよ。テメエがやったのは、動かさずやったんじゃなくて、動いていないように見えるようにやっただけじゃねーか」
「一回見て、看破とはね。ますますいい女じゃねーか」
「まだ言うか。糞が。そんなくだらねえ子供だましを自慢すんじゃない。全身の筋肉をまるで拳を振るように動かした。体を動かさず、体中の筋肉を動かした。その衝撃を手のひらに出しただけじゃないか。良いか、そんなもん、地に足着いてるからできる技だ。弱点が大きすぎるだろう?」
 と、黒服の女性は両腕から刃を出した。
「まぁ、一度テストしてやろう。テメエ様に甲斐性があるかどうか」にやりと笑う。

「私は凶器そのものだぞ」

 黒服は後頭部できつく縛っていた長い髪束を前に振るうようにお辞儀。髪束の先にはいつの間にか付けられた剣。予想外の攻撃に山賊は思わず左手で剣の切っ先を受けてしまった。
「自慢の拳もすぐにそのざまだ」
「生憎、右利きなんだよ、オレは」
 山賊はその左手を振るい、血を黒服に向けて飛ばす。「ちっ」と舌打ちをした黒服は、その目くらましで少しの隙を――
「しようもない滑稽な手段だ」
 ――生まれた隙を突いて攻撃しようとした山賊は即座に攻撃を止め、黒服を躱して通り過ぎる。
 なぜそんなことを……と思ったけど、違う。そうせざるを得ない。黒い服の中には凶器が大量に仕込まれていた。普通ならば動いただけで自分を傷つけるくらいの量。仕込まれたナイフやらが、山賊の攻撃に対して牙を向けていた。攻撃しても手が傷つくだけ。そう判断して、山賊は即座に退こうとした。でも攻撃しに出た脚を急に後ろには戻せない。だから方向をやや変更して黒服を躱した。
「目はいいようだが、それではもう手遅れだ」
 髪が横なぎにくる。剣が掬い上げるように首を狙う。
「しようがねえ、左腕とはおさらばだ」
 それに対し、山賊は左手を使って真正面から掴みにかかった。最初のようにナイフを掴むようにはしていたけど、それでは無理だと、気づいていたし、両手で挟んでも黒服の刃が止まりそうにないと判断したようだ。
 それはまさしくだった。
 左腕は手のひらから魚を下ろすように骨を挟んで真っ二つに裂ける。肘まで削がれ、左腕は肘から先、骨と裏側の肉、親指しか残っていない。
「なんだ、親指は残ったな」と、山賊は満足そうに言う。「それに肩も上腕もある。この程度ならまだ左も使えるな」
 もうこの際、使えなくなるくらいまで相当に痛めつける風に言っていた。
「残念ながら、人体は血が回って生きているんだ。テメエはそのままだと失血死だ」
「へぇ、それくらいは知ってんよ。まぁ、それまでにあんたを孕ませりゃ良いんだろ?」
「下劣極まりないな」
「山賊なもんでな。褒め言葉にしか聞こえねーよ」
 左腕の血は山賊にとって十分な武器にもなっていた。大量の血を黒服は躱せない。目くらましで山賊の姿を見失う。
 けど山賊は攻撃できない。黒服はすぐに体中の武器を展開して攻撃に備えるからだ。
「それはさっきまでの話だぜ」
 山賊はそう言って、左手を叩き込んだ。ざくっ、ぐちょり……と嫌な音を立てながら、刃の中に左腕を突っ込んでいく。黒服の腹に突き立てた左腕。もう粉々で腕と呼べる状態ではないだろう。それを突き立て、拳を出すように筋肉を動かした。
「生憎だ」
 衝撃が左腕から出るより先に、山賊の左腕は黒服の右腕から伸びた刃によって肩から切り落とされた。
「いいアイデアだと思ったのだろうが、ここまで接近されては目くらましも意味を持たない」
「それが生憎なんだよっ!」
 が、山賊はそこから右腕を黒服の顎に叩き込んだ。
「顔にゃ刃はねーよな」
「そういう固定概念が馬鹿を作るんだよ。顎は急所。そこを守らない奴があるか。どうしても守るものがない場合は、そこだけを意識して攻撃を躱したらいい。つまり私の場合、顔だけ意識して守っているというわけだ」
 左腕が拳を受け止めていた。
 同時に、黒服の足が上がる。つま先から刃が出て、山賊を切りつける。それを後ろに飛び退き避ける。が、もうここから逆転はありえない。いくら退いても、射程から逃れられない。

「試験の結果は、やるまでもなく失格だ」

 髪の毛が横なぎに振るわれた。
 同時に球体が放物線を描く。
 歪な人型の噴水。


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